本村 学 (Manabu Motomura)
前職におきましては、ハウスメーカーにて一級建築士として在籍し、設計・施工業務等に従事いたしました。
1. 戸建住宅用の土地
土地購入は、希望する建物を建てられるかどうかの判断が最も重要です。
法規制と建築条件:建ぺい率、容積率、高さ制限、斜線制限など、土地にかかる公法上の規制の確認。希望する建物の規模や高さ、配置が実現可能かどうかの判断。
土地の特性と地盤:造成の状態、地盤の強度(地盤調査の要否)、給排水・ガスの引込状況の確認。擁壁や接道義務など、土地特有の建築コストが発生するリスクの洗い出し。
環境とインフラ:日当たり、風向き、周辺環境(騒音、嫌悪施設など)の評価。
2. 新築建売住宅
新築建売住宅は、すでに完成しているか、建築途中の物件であるため、品質のチェックと設計の確認が必要です。
設計図書と仕様の確認:使用されている断熱材、構造材、設備機器などの設計図書と仕様書の内容が、販売広告と一致しているか、また、長期優良住宅などの認定基準を満たしているかの確認。
施工品質のチェック(完成前・完成後)
完成前:基礎配筋、構造躯体、断熱施工など、完成後に見えなくなる重要な工程での施工品質をチェック(中間検査の代行)。
完成後:仕上がりのムラや建物の傾き、雨漏りや水回りの配管といった隠れた不具合がないかの最終検査(ホームインスペクション)。
住宅性能と住み心地:間取りや配置が、日当たり、通風、採光を十分に確保できているか、また、生活動線に無理がないかの評価。保証内容やアフターサービス、将来のメンテナンス計画について、売主側の説明が十分であるかの確認。
土地の法規制と周辺環境:建てられている土地が、法規制(建ぺい率、容積率など)に適合しているか、周辺環境(騒音、隣地との関係)を含めた総合的な評価。
3. 中古の戸建住宅
建物の状態(リスク)の把握と、改修(リフォーム)計画が最も重要です。
建物の状態:購入前に、雨漏り、シロアリ、構造上の欠陥など、大きな修繕費用が発生するリスクについての確認。
リフォーム・改修の概算:安全に住むための耐震改修や劣化対策、要望に応じたリフォームの具体的な費用と工期の把握。
購入後の維持管理:長く住むためのメンテナンス計画や、中古購入・リフォームに関する補助金・減税制度の活用についての確認。
4. 中古マンション
専有部分の状態、共用部分の管理状況、および構造的なリスクの確認が重要です。
専有部分の状態確認:内装の劣化度合い、設備機器(給湯器など)の交換時期、水回り(配管)の状態など、リフォームが必要な箇所の診断。
共用部分と管理体制:長期修繕計画の有無、積立金の状況、大規模修繕工事の実施履歴など、建物の維持管理状況の評価。
管理規約に基づき、専有部分のリフォームの範囲(例:水回りの移動可否)の確認。
構造的なリスク:建物の耐震性や、アスベストの使用状況など、見えにくい部分のリスクの確認。